■ベトナム中部の高原地帯にある独自の環境にあるイアンノン湖は、ホシクサをはじめとするさまざまな植物の宝庫でもある。
雨季には最深部でも水深が1メートルほどで、乾季になると水が干上がり湖の大部分は湿地帯へと変貌する。
上記のトップ写真は中乾季の様子。水深は浅くいたるところにホシクサの類が見られる。


■この湖は地元の人々にとって大事な井戸水源の一つであり、漁場の一つでもある。
しかしながらこの一帯はかつてベトナム戦争時にダイオキシンの被害がもっとも多かった土地の一つで、戦争時に散布されたダイオキシンが長い年月を経た後地下深くに浸透し、井戸水のダイオキシン濃度がとても高いという話をしていた住民が印象的だった。



■雨季のイアンノン湖
雨季のイアンノン湖は水生植物、昆虫が活力を増す。トンボは飛び回り、水草は速いスピードで繁茂して湖が乾く乾季に備えているようだ。

→↓雨季と乾季、同じ場所を撮影。
■↑水量の多い湖に漂流していたイアンノンンスター。草体は8cmほど・・
■↓→右写真の手前に浮かんでいる茶色いものはワリッキーのようなロタラの一種。



■乾季のイアンノン湖
乾季の姿は雨季とは草の種類が一変します。かつて湖底だった場所にはカヤツリクサ科やイグサなどが生い茂り、イアンノンスターも芽吹いたばかりの小さい苗があちらこちらに点在しています。
ロタラは繊細だった水中葉を太くて乾燥に適応した水上葉に姿を変え、 水のある部分には少数ながらもケヤリソウの類を見ることが出来ました。
湖畔ではのんびりと水牛が水浴びをしている姿が見られます。


→水の引いた湖にはイアンノングラスがびっしりと葉を茂らせています。
↓水際には一株だけ花の咲いたケヤリソウがありました。



■源流を探すために湖に流れ込んでいる支流をさかのぼっていくと山間の田園地帯のような風景が広がる。
この山間の水田には数多くのトンボが生育しており、休耕田には湖とはまた違った水生植物が展開する。バコパ一種も可憐な花を咲かせていた。

水上、水中といたるところにイアンノンスターの姿が見られます。
一見どこでもあるようなイアンノンスターですが、周囲の池や湖では確認できず、イアンノン湖だけにしか見られません。

山間の小道の横には沢山のサンフラワーが花を咲かせていた。
湖から約2キロ地点の風景だ。源流はまだだろうか?
■山間部の水田を抜けさらに歩くこと30分、やっと源流に到着した。ここがイアンノンスターのルーツである水の源流だ。
湿った山の崖から湧き出した水が地上に出ているポイントで気温も周囲に比べるとここだけ若干涼しくなっている。
水が湧き出している個所は3ヶ所ある。

源流にはEleochalis spやCrassula spなどの水草も生育しています。
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