■マレーシアの蝶〜ペニンシュラ・マレーシア編〜

マレーシア本島は昆虫が豊富な地域で、ユーモラスな昆虫たちと出会える私のお気に入りの場所の一つでもあります。
今回はキャメロンハイランドを中心にマレーシアの様々な場所から美しい蝶の写真をお届けしたいと思います。

今回の目的はアカエリトリバネアゲハの群生を撮影すること、そして滅多に見ることのできないバティクレスタイマイ(Graphium bathycles)とアゲテスオナガタイマイ(Graphium agetes)を撮影することでしたが、地元民やオランアスリの協力があって何とか撮影する事ができました。

■Graphium agetes   アゲテスオナガタイマイ


この種類はなかなか見ることのできない種類のオナガタイマイで、Graphium Antiphatesよりも小さく、翅が透けているのが特徴です。
とても速い白蝶のように飛翔し、あまり止まらないような気がします。かなり神経質で近づくことができませんでした。

■Graphium evemon  エベモンタイマイ

翅の赤い斑点が美しいアオスジアゲハと同じタイマイの仲間。

この蝶を見ると「南国にやってきたなあ〜」という実感が湧いてくるとても人懐っこいフレンドリーな昆虫。

■Graphium sarpedon  アオスジアゲハ

東南アジアでは比較的多く見かけるアオスジアゲハの亜種。
カリマンタンの同種と比較してもあまり特徴的な変異はないよう・・・に見える。

■Graphium bathycles  バティクレスタイマイ

今回の目的の一つである本種はマレーシアでもなかなか見ることのできない種類の一つで、エベモンタイマイに比べると絶対数が少ない。
今回はキャメロンの山中とケダ州にある
Hutan Lipur Bukit Hijau(ヒジャウの丘森林公園)でのみ見ることができた。
この種はエベモンタイマイとよく似ているが、翅尾にある斑点がオレンジ色なのと翅の付け根から延びる黄色グラデーションが若干濃いのが特徴ですが、慣れないと見分けがつきにくいですね。

何はともあれ出会うことができてよかったアゲハチョウです。

■Polyura arja  ヒメフタオチョウ

アゲハチョウに擬態している気合いの入ったタテハチョウ。
外見や飛び方もグラフィウムによく似ており、マッハで移動するように跳ぶ。前翅長は約32o
よくよく見ると顔が可愛い。


■Graphium antiphates   オナガタイマイ

東南アジアの自然が残されて場所で時折見ることができる美しい蝶で日本のアオスジアゲハの仲間。
飛翔しているときは白蝶のような風貌だが、止まって翅を閉じたときにこの蝶の美しさが現れる。 前翅長は約35oほど。

■Trogonoptera brookiana ラジャブルック・バードウイング

顔の周りに赤い襟巻をかけたような風貌からアカエリトリバネアゲハとも呼ばれるマレーシアの国蝶。
漆黒の翅に輝く緑とコバルトのコントラストが美しい大型の蝶で、近年マレーシアでも見ることができる場所が限られてきた蝶でもあります。
画像下のメスはオスに比べて個体数が少ないため珍しいと言われています。
前翅長はオスが約75mm メスが約85mm。

こちらはケダ州のオナガタイマイだが、色がかなり白いような気がする・・・。フラッシュの色ではなく、肉眼で見てもかなり白い。

■Troides aeacus キシタアゲハ

トリバネアゲハの一種で時折ジャングルの樹幹を優雅に飛んでいる姿をよく見かけます。
黄色い翅がとても優雅で蝶の王と言う風格さえ感じます。
前翅長約68oです。

■Papilio helenus モンキアゲハ

前翅長は約70mmと大型のアゲハ蝶。

■Papilio demolion  オビモンアゲハ

前翅長は約48mm

■学名不詳

ヒメフタオチョウとは微妙に異なる謎の蝶。斑点の位置が全然違う・・・
前翅長は約35oと若干大きく、明らかにPolyura arjaとは異なる。
↓こちらは雌雄の求愛行動時の写真です。2頭の蝶が回転しながら上下に飛行しています。
↑雨天に見かけた個体。葉の裏でひっそりと休んでいました
■Papilio memnon ナガサキアゲハ

アジアを旅していると比較的よく見ることのできるアゲハ蝶。変異が多いのも面白い。
前翅長は約68mm。
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