■バンティムルンの自然
イギリスの博物学者ウォーレスはこのスラウェシ島の生物相がアジア区、オーストラリア区に属するのか困惑した。
その理由はスラウェシ島にはアジア区に見られマカクに属する猿、Macaca Nigra(ブラックモンキー)とオーストラリア区に棲息しているTarsius Spectrum(スラウェシメガネザル、タルシウス)や
Sulawesi Cuscus(クロクスクス)
が共存していたからだ。
その理由としては約250万年前にアジア大陸とオーストラリア大陸がぶつかり、一つになった島であるという説が有力で、その後の地殻変動にも影響されずに大陸から隔離され、孤立したために独自の進化を遂げた動植物が生息しているのである。また、スラウェシ島で確認されている127種類の哺乳類のうち、79種類はスラウェシ島の固有種である。
バンティムルンにはアジア区に属するブラックモンキーが数多く暮らしている場所である。
■動物奇想天外〜バンティムルンのコウモリ編〜
この木なんか変・・と思いきや、フルーツバットがたくさん生息していた!
この場所は民家の敷地内で人通りも激しいのだが、好き好んでこの場所をねぐらにしている様子。
彼らはいきなり登場した私たちに、まるで挨拶するかのように手を胸の前に当てガヤガヤ鳴いており、その姿はまるで「いらっしゃいませ」と言っているよう。(多分暑いので仰いでいる)もう可愛くてしょうがない・・!
私は大騒ぎしながら可愛いコウモリたちの写真を撮り、大満足のバンティムルンでした。
楽しいコウモリの日常にちょっと触れてみよう。コウモリの会話を翻訳してお届け
「眠いしもう飽きちゃった・・」
→左「不機嫌(怒)」、右「ご機嫌♪」
■水中の生き物たち
蝶を撮影していたおなじみの場所で今度は水中を覗いてみよう。PH8.9という強アルカリの硬水でありながらその生物相は豊かだ。
まず目にしたのは艶やかな紋様の淡水サヨリで、群をなして泳いでいる。
またタイの仲間かと思うような魚もいて普通とは違った雰囲気が改めて感じられる。
水面をじっと見ていると時々アオミドロの蔭から何やら黒いものが動いている。しかも多数・・・よくよく見てみるとそれはコガタノゲンゴロウの一種であった。